アリスの女子力パない!

 アリス・マーガトロイドの女子力はマジでやばい。多分、幻想郷でもトップクラスの女子力である。
 根暗で引きこもりな私と違ってフランス田舎料理なんて洒落たものも作れるし、アリスの入れた紅茶は咲夜のものと引けをとらない。
 おしゃべりがとても上手で誰にでも万人受けするし、人里で人形劇なんかをする器の大きな魔女だ。
 対して私はおしゃべりが上手じゃないし、進んでおしゃべりもしたくない。料理すらこの手で作ったことはないのだ。
 私は魔理沙が好きで、アリスも魔理沙が好き。

 本が盗まれるタイミングでしか魔理沙と目を合わせられない私と違い、アリスは魔理沙と積極的に関わっている。本当に勝てない。
「どうしたの、そんな顔をして」
 根城である図書館の片隅で、テーブル越しに紅茶を飲むアリスが尋ねる。
「何か悩み事?」
 私は顔を本で隠して聞こえないふりをする。アリスの顔を見ると劣等感を感じるから。
「ねえ、どうしてあなたは私とお茶を飲んでくれるの?」
 恐る恐る私が聞くと、アリスはビスクドールのように精緻で白く美しい顔を笑みで咲かせてみせた。顔面偏差値からして勝てる気がしない。
「そりゃ、パチュリーのことが好きだからよ」
「……あなたが好きなのは魔理沙でしょ」
 嫌味を含めた冷たい言葉を、私の意に反してこぼしてしまった。友達としての意味を含めた言葉だったのに、私のコミュ力の低さがもろに出てしまったようだ。
 だが、アリスは私が隠れ蓑にしていた本をどかすと、子供を慰める親のように教えてくれた。
「好きな人が二人だといけないかしら?」
 ああ、やっぱりこの女には勝てないんだ。

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