地獄愛

地獄愛

 今回、女の子を連れて見にいた映画「地獄愛」

 クソ映画レビューの知的風ハットさんが絶賛してたのと、サイコホラーを見たい気分だったのも合わさって行ってきました。
 そこまで気兼ねしなくていい女の子だったので良かったのですが、映画の内容はエロとサイコが混ざりあった嫉妬の物語で、非常にショッキングなシーンが多かったです。なので、女の子連れて見に行くのはNG。
 ストーリーをざっくり説明すれば「嫉妬に狂ったサイコババアが女を殺しまくる」みたいな感じでした。


 グロリアというおばさんは子持ちのバツイチで、死体安置所で死体洗いをしておりました。
 そんなある日、一人の男と出会い系サイトで出会います。
 とてもハンサムな男の名はミシェル。非常に魅力的で、靴を売って生計を立てているようです。
 ですが、実際は単なる結婚詐欺師で、その手管でグロリアを惚れさせ、お金を徐々にせびるようになってきます。
 金づるじゃなくなったグロリアを捨てて、他の女に照準を合わせていた時。そこにグロリアの影が忍び寄る。
 実はグロリアは本気で惚れていて、どうしてもミシェルを諦めきれなかった。たとえ、自分が結婚詐欺師に騙されていたと分かっていても。
 そんなこんなで復縁し、グロリアはミシェルと共に生きることを誓う。子供を知人に預け、ミシェルの結婚詐欺の片棒をかつぎ始めたのだ。
 そこからはなだれ込むようなサイコホラーの展開で、ミシェルの妹として結婚相手の家に暮らすのだが。もちろん、結婚詐欺は相手に惚れさせる技術がいるので、バンバンセックスをかましちゃう。
 この映画の女性ほとんどはミシェルと寝ており、そしてそのたびにグロリアは強い嫉妬心を燃やしていく。
 グロリアはミシェルが想像できないほどに嫉妬心にまみれていて、足を大きくばたつかせたり、大声をあげ始めたり。最終的にはミシェルとセックス中の相手を絞殺してしまいます。
 元々死体安置所で働いた経験から死体を洗剤で溶かし、川に流して逃走する。
 そして、グロリアが嫉妬心で殺人もいとわないのも知りつつも、新たなターゲットの家に訪れて、ミシェルがセックスしている時に再度、嫉妬心で殺してしまうのだ。

 基本的にこれの繰り返しで進んでいくのだが、二人の関係の歪さがどんどん現れていって。サイコな内容なのだが、その実、妙な恋愛感情が見て取れていく。
 ミシェルのほうはグロリアが怖くて従っているのかどうかは分からない。けれど、二人のつながりに恋愛感情がなかったかといえば嘘ではないと思う。
 結婚詐欺師自体、サイコパスの所業だと思ってます。
 というのも、似たような感じで猟奇的な殺人をしたケースは世界中に多く、日本だと北九州監禁殺人事件が有名だろう。
 人を籠絡するには恋愛感情を持たせるのがてっとり速いみたいで。自分の利益のために簡単に体を差し出し、命令をする時点でサイコパス、殺人などを厭わない下地があるように思えました。
 ちょっと話は違いますが、ハプスブルク家なんかは「結婚は最高の外交手段」と言っていたように、人のつながりほど強固なものはないみたいです。

 実際の事件がモチーフで、そっちも調べると現実は小説よりも奇なりといったもので。
 アメリカのマーサとレイモンドというカップルが結婚詐欺をしながら殺人を犯していく。そのプロセスは複雑ながらも、映画同様嫉妬心でマーサが相手を殺していくと言ったものでした。こっちは20人以上殺しているみたいで……
 逮捕され、死刑に処されるまでマーサはレイモンドへの愛を説き、周りからはセンセーショナルなラブストーリーだと言われていたようです。
 自分も、この物語はラブストーリーだと思いました。歪んだラブストーリーではあるものの、このババアとおっさんの逃避行は破滅思考の純愛だなぁって。愛の形は人それぞれで、それが悪循環だとしても、形をなしているんだと思います。

 そう、この物語はとても悪循環に満ちている。グロリアが嫉妬で相手を殺すと分かっていても、結婚詐欺を繰り返すミシェル。それがさも、燃えるような恋のための儀式のような感じで。
 ベルギーの映画なのでフランス語がメインで、フランス映画のエッセンスが非常に強かったように見受けられます。
 その淡々と人間を描いていく様は非常に冷徹で、そしてじんわりと狂気が伝わってきました。
 なによりも、グロリアの演技が抜群で、嫉妬に狂った様、殺人をヒステリックに行ったり。そして、何事もなく情熱的にミシェルに愛を注いでいく。
 40くらいのしわしわのババアがハッスルする映画で、平日の昼間におっさんが多かったのはそういうことなのかなーって疑ってしまうくらいですw 熟女とのセックスシーン多かったし。15禁だから詳しくは写してなかったけど。

 映画としては非常に面白かったと思います。
 最近、山月記を読み返していた僕にはすっごいツボでしたね。羞恥と自尊心で虎になっていく李徴みたいな。
 サイコホラーとしても、ラブストーリーとしても見る分には奥が深く。どちらの視点から見ても、片方からみても面白く考察できる映画でした。
 ただ、放映時間・映画館が少ないので、見たい人はチェックの方忘れずにしたほうが良いです。
 くれぐれも女性を連れて見に行かないようにw グロいのは言うまでもないですが、セックスシーンが多くてちょっと冷や汗かいてましたw

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